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8月 30, 2023
サバの生食文化を広めたい!
~和歌山県串本町・種苗生産場にて~
・優秀な種苗が「安心安全のサバ」へと育つ
・サバのために、汗を流して…「温度管理」と「離乳食」
・美味しい生サバの発信基地になる!
どうも。鯖やグループ広報担当の通称・さばたろうです。
サバの背中が青いのは、空からサバを狙ってくる鳥に見つからないように
「水面に映る空の色」と似せているからだそうです。
さばたろうも生まれた時から背中が青いので特に意識していませんでしたが、外的から身を守るために進化してきた歴史があったと思うとご先祖様に感謝です。
今回はさばたろうの大好きな「海」にお出かけいたします!
とはいえ海水浴ではありません…
今回も弊社代表・右田の大切なお仕事に同行させていただきます。
優秀な種苗が「安心安全のサバ」へと育つ
行き先は和歌山県東牟婁郡、「串本町」にある種苗生産場です。
ではここで、皆サバに今回のキーワードである「種苗」について説明させていただきますね。
「種苗」とは一般に、植物を生産するための種や苗、球根などのことを指しています。
(地面に種を蒔いて、草花だったり穀物が育つイメージですね)
魚の養殖における種苗も同じく、魚を育て、増やしていくために最初の稚魚が必要です。
サバの親が産卵し、その卵がふ化して数cmほどの魚の形になったものを稚魚と呼んでいます。
この稚魚がいわゆる魚の養殖における「種苗」です。
養殖場において、産卵→ふ化→稚魚→成魚のサイクルでサバを育てていくのがサバ養殖の基本となります。
串本の種苗養殖場では、このサイクルを6世代続けながら選抜育種することにより、成長が早く病気に強い、トップクラスの優秀な種苗を生産しているのです!
サバのために、汗を流して…「温度管理」と「離乳食」
美しい海と豊かな自然に囲まれた、立派な種苗生産場。
ここからサバの種苗が出荷され、種苗を買い取った漁師さん達が成魚まで育て上げ、流通ルートに乗って私たちの食卓に運ばれていくわけです。
6世代に渡って種苗生産場で育種された種苗はアニサキスの心配がなく、生食も可能。
そうです!「サバの生食文化を広める」という右田の夢を叶えるためには、この種苗生産場はとても重要な拠点なのです!
海沿いに3つ並んだ緑色のコンテナシェルターの中では、一番向こうから
・卵を産む親サバ
・産まれたばかりのサバ
・稚魚にまで育ったサバ
と3段階に分けて育成されています。
夏場ということもあり、コンテナの内部はかなり暑くなっていました。
額に汗をかきながら、産まれて間もないサバに離乳食を与える右田。
離乳食も育成段階によって種類が変わってくるようです。
それを一括的に管理しつつなければいけないため、いかに手間と時間をかけて丁寧に育てているかが分かります。
卵を産むための親となるサバを保管している場所では、温度調整が最大のポイント。
早く産ませるためには、春と勘違いさせ、産卵を促します。
遅く産ませる子に関しても、温度の調整によって生殖腺が発達するタイミングをずらすわけです。
この緻密なコントロールがサバの通年採卵を可能にし、安定した稚魚の供給へと結びつくのですね。
美味しい生サバの発信基地になる!
この串本町で育てあげた、質のよい稚魚を今以上にもっとたくさんの漁師さんに買ってもらえればさらに生産規模も大きくなり、育成サイクルもより一層順調に回ります。
決して常にうまくいくわけではなく、苦労の多いサバの種苗生産。
弊社右田がこの事業に情熱を注ぐ理由には様々なものがありますが、そのなかでも特に叶えたいのは
「サバの生食文化を広めたい」
という願いです。
「脂ののったサバは、魚の刺身で一番美味しい」…昔から漁師さんや食通の間では高く評価されている生のサバですが、まだまだ世間に浸透していないのが現状。
だからこそ、生で食べるサバの美味しさを知ってもらいたい。
和歌山の海を見つめながら、「美味しいのを届けたいじゃないですか」と語っていた右田の表情はとても印象的でした。
サバ料理専門居酒屋「SABAR」の運営を手掛けている右田は、やはりそこでも「サバのお造り」を看板メニューとして力を入れています。
種苗生産で安全なサバを市場に流通させ、店舗では安全な生のサバを食文化として楽しんでいただく。
右田の思いが最後に辿り着く場所には「誰もが生のサバを美味しく食べられる未来」があるのだと、私さばたろうも今回の体験で強く確信いたしました。