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1月 19, 2023
陸上養殖ラボ、ついに完成!<前編>
どうも。鯖やグループ広報担当の通称・さばたろうです。今朝のごはんは、焼き鯖のまぜごはんでした。さて今回は、大阪・豊中の本社に完成した陸上養殖ラボの見学&レポートをお届け。
ナビゲーターは、もちろん弊社社長・右田です。
大阪のど真ん中で、陸上養殖、のワケ
実はこのラボ、大阪・豊中にある豊南市場の一角にわざわざ構築したのです。
これが本社前。お隣は昔ながらのお豆腐屋さん。サバ博士は毎日ここの豆乳を飲んでいます。 毎朝豆から炊いて作る豆腐を毎日食べてると、他の豆腐が食べれなくなります。中毒性注意。
この「フィッシュ・バイオテック」ロゴ看板の横にある、
この通路をくぐり抜けたビルの1階に…
「サバの未来を切り開く新しい養殖」の文字ともにラボの扉がおもむろに姿を表します。
「え・・?こんなところに(急…!!)」
スタッフの私自身も、度肝抜かれましたよ、実際。
右田「ここではサバの育成の研究を行ってます。
まさに自然界(自然の海)でおこっていることを、陸上にもってきたんです。」
その気になる内観がこちら
まさかあの市場の中に、こんな設備があるなんて、誰が想像したでしょうか…。僕はしてませんでした(汗。
大きい3つの水槽周辺を、独自に開発したろ過装置が平衡に並んでいます。
(ろ過装置の詳細は企業秘密なので、あまり詳細はお伝えできず…、すみません)
ただここで皆様も、わたくしサバ太郎同様、同じく素朴な疑問を抱かれたのではないでしょうか。
「海でやった方がいいんじゃないの?」と。
わざわざ陸でやる理由ってなんなのだろう⁇
右田「そもそもいま天然の魚の漁獲量が減ってるんです。だから海面で養殖をしていたわけですが、それも、海水温があがっていて、いままで育てられたサバが、温度があがってしまった事で、育てられなくなってしまった。
嘘みたいな話ですが、実際に海で養殖して、高水温でほとんど死んでしまった事があります
それに、海面は台風や赤潮など、予測できても対策できない災害があったり、労働環境も、危険の伴う力仕事で、高齢者が続けられる環境じゃない。だから、未来の漁業のために、陸上養殖の仕組みが必要だと考えています。
でも…。
もうひとつ腑に落ちないことがひとつ。
「なんで大阪に造ったの?」
作るにしても海の近くとかの方がよいのでは?
右田「実は物流コストの解消が狙いです。
例えば、魚を生きたまま運ぶ車、活魚車を香川から大阪まで一回走らせると幾らかかると思いますか?正解は1回だいたい20万です。
それがそのまま価格に乗る。もしも不漁で一便に100匹しか積めなかったら…?
一匹あたりの単価がすごいことになりますよね。」
確かに…。20万の便に100匹しかいない、となると一匹の運送料が2000円の魚…!!
超高級魚になっちゃいますね。
右田「もうひとつ魚の単価を上げる要因があります。それは水から上がって食卓に届くまでの鮮度管理。
サバは傷みやすい、腐りやすい、臭い、など、聞いたことはないですか?
それは通常、水揚げしたサバは釣れたそばからすぐに、船上で氷水へ放り込みます。しかしそれでは血が身に回って、血なまぐさいサバになってしまいます。
水からあがったらすぐに血を抜く処理をしたり、神経をぬいたり、臭みが身に回らないように内臓をとりのぞいたり、、劣化の原因をすぐに取り除くんです。
そして氷は頭としっぽだけに敷くなど、細やかな処理をされて消費者へと届けられる。
この処理をするかしないかが、品質に雲泥の差を生むんですよね。
つまり品質管理のコストも、そのまま商品の価格にのってくる。
物流のコストと品質管理のコスト。
このうちせめて物流コストが削れたら、美味しいサバが、もっと手頃な価格で
たくさんの消費者にとどけられるんじゃないか。
そう考えたのが大阪に陸上養殖の施設を造ろうと思った理由です。」
なるほど!!たしかにそれなら都心部に施設があったほうがいいですよね。
ちなみに…この施設からサバが届くなら…、
僕が大好きなあの超レアアイテム・サバの刺身も、お店で食べられる日も遠くないってことですか?!
右田「環境と条件にもよりますが、地方から運ぶよりもかなり現実的に構想できると思います。アニサキスの心配がない私たちのサバで、かつ、採れたて・超新鮮なサバでしか作れないサバの刺身。ぜひたくさんの人に食べてほしいんですよね!」
写真は、右田捌きたてのサバのさし身。これほんと食べてほしいー!!!そして僕も食べたい!!
すんごい人たちの、すんごいノウハウと執念の結晶
サバの刺身にテンション上がる一方で、もうひとつの疑問が。
そもそも海ではない場所、つまり同じ水が循環している場所で、
なんで養殖することができるのか?水、汚れないんですか?不思議ですよね。
てか、鯖、死なないんですか?
右田「無理だ無茶だっていっぱい言われたりしましたが、勉強熱心なスタッフが諦めずに色々手探りで、挑戦してくれて。失敗もあるけど、次はこうしたら成功するんじゃないかなって、成功に近づける。その挑戦の積み重ねが、今、報われている感覚です。
たくさんの挑戦と情熱がひとつになって開発した結果、鯖の糞やエサから発生するアンモニアを無毒化しで循環させる特殊な技術・設備を組み合わせて、閉鎖循環型の養殖施設を作る事が出来ました」
ろ過装置を通る水、めっちゃ透明…。
しかもこれだけの透明度を保っているのに、この設備から排水される水って、
1日あたり、これだけなんだそう。これも比較的スペースを取らずに設備構築できる一因ですね。
当社でやってるのは「閉鎖循環式」と言われるもの。
※もっと詳しい水質浄化に関する情報はこちら↓
(以下pdfのリンク)
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右田「僕がなぜサバを選んだのかわかりますか?
それは僕がサバとともに生きてきたからなんですよ。
サバの棒鮨からはじまり、サバ料理専門店、サバの卸と、僕の人生はずっとサバとともにあった。それだけ鯖にかけてきたんですよね笑。」
右田のサバ愛が生んだ出会いも。
写真右は2021年、宮城県から転職してきた主任研究員の関。
前職、料理人だった彼はこの陸上養殖設備を右田とともに研究・開発。そして約1年の歳月をかけて完成させた立役者なんです!
関「フィッシュ・バイオテックが前澤ファンドに採用されたのをキッカケに、この弊社の存在を知りました。右田社長の情熱に感化されたというか、いやこれだけサバに特化してるってシンプルに面白そうだなって笑」
ご協力いただいた研究者の皆様の知見に、料理人たちの情熱と経験をたっぷりと詰め込んだこの設備。
右田「結局ね、『安全なさばを出したい!』その一心でやってたら、知識も仲間も集まってくれた。そしてこの設備もできた。あとは美味しくて安全なサバを広めていくだけですよね」