NEWS
フィオテック(Fish Bio Technology)に
関するニュース
1月 19, 2023
アニサキスと戦ってきた鯖やの歴史
どうも。鯖やグループ広報担当の通称・さばたろうです。サバの模様ってすんごいアーティスティックだよなあとしみじみおもう今日このごろです。
さて今回は、「アニサキス」について。
・アニサキスってなんですか?
アニサキスとは、まだその生態の全ては解明されていませんが、クジラのお腹の中から卵が出てきて、オキアミなどの動物性プランクトンが卵を捕食、これをサバが捕食して、アニサキスキャリアのサバになる。とされています。
サバだけではなく、カツオ、イカ、まぐろなど、あらゆる魚に寄生する寄生虫(線虫)。アニサキスを生きたまま食べてしまうと急性胃潰瘍を起こしたり、加熱や凍結で芯だアニサキスでも、アレルギー反応を引き起こすので、アナフィラキシーショックを起こす方もいる。
アニサキスは冷凍や加熱には弱く、通常、海でとった天然のサバ、特に新潟から北側で採れたサバは、かなりの確立でアニサキスがいるので、熟練の技を持つ職人であっても過信は禁物なんだそうです。
右田「そもそもアニサキス食中毒の種類とはふたつあって、
1:アニサキスを生で食べてしまいしまうもの、生きたアニサキスがお腹の中であばれるタイプ
2:鯖を食べて蕁麻疹や体調不良などのアレルギー反応が出る
この2種類です。
後者はアレルギー反応で体質の問題。サバだけじゃなくて「青背の魚全部苦手」といったタイプの方は、潜在的にこのアレルギーをお持ちかもしれません。
※専門家の意見ではありませんので、気になる方は検査してくださいね。
問題は前者。アニキサスを生で食べてしまうケースです。これは人の体に入り込むと胃に穴をあけてしまったり、アナフィラキシーショックを起こしたりと、
本当に大変なことになります。」
怖いですね…。ちなみにサバは、いつ、アニキサスのキャリアになるんでしょう?
右田「冒頭にもお伝えしたとおり、サバが餌にするあみえびの中や、
海の中にそもそも生息しているものを捕食するからです。
一般的に、ペレットなどの乾燥餌を食べている養殖魚はアニサキスの心配がない。とされていますが、2021年4月に東京健康センターが発表したサバのアニサキス寄生調査によると、小さな天然魚を育てる海面の畜養養殖ではアニサキス感染が60%以上、しかし、卵を人の手で孵化させた 人工種苗を用いた完全養殖のサバは海面養殖であってもアニサキス感染が0%というもの。
海面養殖は、畜養と完全養殖で安全性に差があるという結果でした。」
※参照|厚生労働省より|アニサキスによる食中毒(アニサキス症)について
ちなみに、死んでない魚にアニサキスはつかないってご存知でしたか?
(ちなみにわたくしサバ太郎は入社前、そんなこと全然知りませんでした…。)
アニサキスはサバの死後、腹腔から身や内臓にアニサキスが移ります。
つまりアニサキスが腹腔内にいる間に、内臓を処理してしまうと、リスク軽減につながる、という訳なのです。
・何故、鯖やグループのサバにはアニサキスがいないのか。
右田「サバに特化してきた私たち、もし一回でもアニサキス症が出たら、事業ができなくなってしまう…、そんな危機感を持って事業を行ってきました。
だからこそ鯖やグループでは、天然のサバはマイナス40度で48時間凍結したサバしか使いません。
100%安全と考えられる陸上養殖のサバのみ、生で提供しています。
社内でも『養殖サバなんだから生で提供してもいいじゃないか』という者と『100%安全と言える証拠もないのにお客様に出せない』とする社員が、バチバチに争った事もあります。
僅かでも「万が一」の可能性があるならば、出すべきではない。と判断して、養殖のサバでも可能性のある畜養サバなどは、必ず凍結したものを使います。
人工種苗の海面養殖のサバは、しめてすぐに内臓処理を行った個体に限定し、リスクがゼロではない事をお客様にお伝えする事を徹底しています。
前述した、陸上養殖のサバは、ノーフローズンで提供しているので、とても美味しくてめずらしいので、皆さんとても喜んでくださいますし、我々も提供したいのですが、
まだまだ生産数も少ないので、通年提供が難しく、レギュラーメニューとして提供できない事が課題です。」
でも…なんでそこまでこだわったのでしょうか…?
焼きサバも十分美味しいですよね…?
右田「もちろん!サバはどう調理したって美味しいし、どんな形であれ食べてほしい。でも僕がぜひとも皆様に食べてほしい!と思っているのは、サバの刺身なんです。
たった今釣りたてのサバを刺身にして食べる右田。
確かに僕も初めて食べたときは、その歯ごたえ、脂ののり具合、濃厚さに、マジで感動しましたもの…。これはガチでウマイです。。
・陸上養殖で究極・アニサキス0%の生サバをみなサバへ!
右田「では、どうやったらサバの刺し身を一般の方にも食べてもらえるようになるのか。生きたサバを運ぶ?それとも??いろんな方々との研究・議論の結果、
たどり着いた中の一つが「陸上養殖」という仕組みでした。
陸上養殖のサバが増えると、アニサキス寄生のリスクのないサバはふえますが、もう一歩先の安全性も目指しています。」
サバ太郎「もう一歩先??」
右田「陸上養殖されている鯖の餌に、万が一、アニサキスのいる魚を材料として使ったらどうなると思いますか?
そのサバから、生きたアニサキスは出てこなくても、アレルギー反応はおこる可能性があるんです。『アニサキスが100%いないサバ』を実現するために、研究と努力は継続するつもりです。」
なるほど…!そうなれば、アニサキスで蕁麻疹が出ちゃうようなアレルギーの人でも食べられるサバができるってことですね?」
右田「そうなんです。そのために大切なのは餌。
ティラピアという魚がたくさん養殖されているのですが、
淡水で育てたティラピアのアラを餌にすることを検討しています。淡水養殖のティラピアにはアニサキスがいない。
アニサキスのいない餌をサバに与えて、100%安全だと理論上でも断言できるようにしたい。これからの目標です」
これからも我々・鯖やグループの挑戦は続くんですね。スタッフの僕も改めてアニサキスのこと、勉強になりました!ありがとうございました!
(とか言いつつ、社長がさばいたサバの刺し身をガンガンいただくサバ太郎)